ビストロパパレシピ2016.10
肉×野菜×定番味付け、 派手な器に盛り付ける。鶏もも肉と赤ピーマンの煮物
2016/10/21
食材の組み合わせ次第で、味が変わるのが煮物の楽しみのひとつ。ことこと煮込んで味見したとき、想像を超える味に出会えると、うれしくなる。
同じ素材だけで作るのもおすすめ。ナス、里芋、大根、卵もいい。京都に住む実家の母は、ナス好き。幼少のころ、ナスの煮物(京都では、「ナスのたいたん」と呼ぶ)をどっさり作っていたことを覚えている。
肉を加えて煮込むと、味がガラッと変わる。肉の脂がいい具合に煮汁に加わり、味が濃厚になる。財布にも優しく、煮物に合うのは鶏。鶏の出汁がいい具合に出て、煮汁が絶妙の味になるのだ。
今回紹介するのは「鶏もも肉と赤ピーマンの煮物」。鶏は皮ごと使う。いい具合に脂が染み出て野菜と絡む。
鶏肉だけで作ると、色が偏るが、鮮やかな色の赤ピーマンと合わさることで、味だけでなく、彩よく、食欲をそそる色合いになる。緑のピーマンが熟したものが赤ピーマン。糖度が緑ピーマンより多いため、ほんのり甘く子どもも食べやすい。
もともと色味も見た目も地味な煮物。カラフルで派手な器によそっても、落ち着いた雰囲気になり、食卓栄えもする。
あとは味付け。わが家の定番は、昆布とカツオ節でとった出汁500ccに、薄口しょうゆ大さじ4、みりん大さじ4に、具材を入れて煮込むだけ。ちなみに「薄口しょうゆ」は、調理向きのしょうゆ。色が薄いが塩分濃度は濃口の16%より2%ほど高い。素材の風味を生かすために、色や香りを抑えた薄口しょうゆ。だから煮物向き。
うまみたっぷりの煮物の煮汁。うどんを入れて青菜や油揚げを刻んで入れて煮込めば、あっという間に、煮汁うどんができる。肌寒い日に、煮物からの煮汁うどんを作ってみては。
調理時間
25分
材料(3人分)
- 鶏もも肉 (1枚半)
- 赤ピーマン (3個)
- 白ねぎ (1本)
- しょうが (少々)
- A
- カツオと昆布の出汁 (500cc)
- 薄口しょうゆ (大さじ4)
- 本みりん (大さじ4)
- 酒 (大さじ1)
作り方
- 鍋にAを入れ、ぶつ切りにした鶏もも肉、縦4等分にした赤ピーマン、ぶつ切りにした白ねぎを加え、蓋をして火にかけ沸騰したら火を弱め、鶏に火が通ったらでき上がり。
- 皿に盛り付け、しょうがをすってかける。
アト辛おとな味:生七味
子手伝い:調味料はかる
子手伝い:調味料はかる
- ビストロパパのワンポイント・アドバイス
- 煮物の煮汁で、もうひと品作ろう。
滝村 雅晴 (たきむら まさはる)
パパ料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。男性の家事参画や共食の普及・啓発を行う。令和6年度消費者支援功労者表彰ベスト消費者パートナー章受賞。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービスが人気。いっしょに作る料理動画をYouTube「ビストロパパCHANNEL」で配信中。「きょうの料理」「3分クッキング」等出演。