巻頭言 UNITE2023.01-02

生活向上につなげる
2023春季生活闘争に

2023/01/18

「あけましておめでとうございます」「情報労連に加盟するすべての組合員とご家族にとって良い年になりますことを心から祈念します」

2023年の干支は、「癸卯」(みずのとう)。「これまでの努力が花開き実り始める」と縁起の良さを表すとのこと。2023年は、コロナ禍の3年間から、大きく飛躍し、私たちの生活が大きく向上する年になってほしい。

間もなく始まる「2023春闘」は、生活向上につなげる役割を担うことになる。特に、昨年から急騰している物価に対して、賃上げが求められている。2022年11月の消費者物価指数では、前年同月より3.7%上昇、この上昇率は1981年12月以来、40年11カ月ぶりの大きさだそうだ。ロシアのウクライナ侵攻などによるエネルギー・資源価格高騰に、円安が重なり、幅広いモノの価格が上がっており、身近な商品の値上げは、消費意欲を悪化させ、景気の後退が懸念される。

一方、物価の影響を考慮した実質賃金では、10月まで7カ月連続で前年を割り込んでいる。また、これまでの政治による経済・労働政策の失敗により、「分厚い中間層」が薄くなり、低所得層が増加し格差が拡大している。働く者・生活者の生活の維持・向上を図るためにも、2023春闘への注目が集まっており、期待が大きい。

連合は、12月1日に第89回中央委員会を開き、「未来づくり春闘を深化させ、経済・社会のステージを変える転換点とするべく、経済の後追いではなく、経済・社会の原動力となる『人への投資』をより積極的に求める」とする2023春闘方針を確立した。

情報労連は、1月31日に開催する第53回中央委員会に向けて、「2023春闘方針案」を提起している。「未組織労働者も含むすべての労働者の総合労働環境の改善をめざす闘い」と位置づけ、「賃金改善」の流れを継続し、「底上げ」「格差是正」「底支え」、そしてすべての働く仲間の立場にたった「働き方の改善」を重点に取り組む。

3%程度の賃上げめざす

産別・情報労連が一体となって取り組むために、方針案について、若干ポイントを申し上げておきたい。物価高騰にどのように応えるか、物価も上がり、賃金も上がる仕組みをつくることが重要となる。すべての加盟組合は「人への投資」を積極的に促し、年間収入の向上を図る観点から、月例賃金改善については、定期昇給分を確保した上で、3%程度(定期昇給分相当分を含め5%)の賃上げをめざし、一時金についても水準向上をめざす。特に、重視したいのは、中小企業の賃上げである。中小企業では、資材高騰を価格転嫁が難しい状況にあるため、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配や、コスト負担を意識した適切な価格転嫁ができるように対応する必要がある。また、有期契約等で働く人たちの底上げを重視しなければならない。

企業労使の社会役割と責任が求められる春闘となる。これまでの春闘交渉以上に、労使間で賃金交渉を通じて、事業展望や経営状況、働き方の改善など、幅広い論議により、「人への投資」の積極的な対応を要請する。

まずは、すべての加盟組合の真摯な議論により第53回中央委員会での情報労連の春闘方針の決定をお願いする。

安藤 京一 (あんどう きょういち) 情報労連 中央執行委員長
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