巻頭言 UNITE2023.10

UNI第6回世界大会

2023/10/12

7月に開催した第62回定期全国大会以降、全国単組・直加盟組合、ブロック支部・県協の大会がすべて終わり、新たな役員体制も確立され、各組織とも大会で決定した方針の具現化に向けスタートを切った。情報労連は、9月の中央執行委員会で「2023年度年間活動の進め方」を確認し、具体的活動を展開している。いずれにしても、「正念場の2年間」と位置付け、「2023〜2024年度中期運動方針」の結果と成果にこだわり、存在感ある産別運動をめざす。

さて、8月27〜30日でUNIグローバルユニオン第6回世界大会がアメリカ・フィラデルフィアで開催された。コロナ禍があり、開催年を延期して5年ぶりの世界大会となった。開催地フィラデルフィアは、アメリカ独立宣言を採択した歴史的場所であり、1944年のILO総会において「労働は商品ではない」で有名な「フィラデルフィア宣言」を採択した地でもある。歴史的舞台での世界大会には、78カ国、274の加盟組織から1195人が参加し、情報労連からは、全国単組からの参加者を含め、代議員・オブザーバー総勢10人が参加した。前段25日からは世界女性大会も行われ、多忙の中、長期間にわたる各大会に参加いただいた各位にお礼を申し上げる。

団結すれば強くなれる

「Rising Together(ともに立ち上がろう)」をスローガンに開催された大会では、「公正で包摂的なグローバル経済のためにルールを変えよう」「企業責任を問うためルールを変えよう」「平和・民主主義・人権のために共に立ち上がろう」「デジタル時代におけるディーセントワークのために共に立ち上がろう」など、12のテーマに対して問題提起、課題ごとに加盟組織から多くの報告・発言があった。

さまざまな国情により労働者の置かれた境遇は、程度の差こそあるものの、グローバル化した競争の激化、デジタル化の進展などにより、世界市場は急速に変化しており、総じて、各国の労働者は厳しい環境に置かれてきている。さらに、巨大企業からの労働組合への不当な圧力を受けていることや権威主義国家による平和や人権がないがしろにされ、労働者の生活が奪われ、命すらも危険にさらされているなどの報告がなされた。共有できる課題やいずれ日本も直面することになりはしないかと危惧する内容もあった。「すべての人のために組合の力を構築しよう」とする次の4年間の戦略目標が採択された。その根底は、人間としての尊厳ある労働の実現がなされなければならない。労働者がいかにディーセントな働き方ができるか、まさにフィラデルフィア宣言に示された「労働は商品ではない」の実現だ。

そのためには、労働組合の役割発揮が求められている。企業別労働組合だけでは、律しきれない状況にもなっており、産業別組織や連合などとの連携や国際的な連帯の強化が必要になっている。

来賓であいさつしたバーニー・サンダース上院議員は「ごく少数の人々が多くの富を持ち、多くの人々がわずかな富しか持たない現実を変えなければならない。その変化をもたらすのは労働組合運動だ」「団結すれば強くなれる」と強調した。

私自身もUNI世界副会長に再任された。微力ながら一役を担う決意だ。

安藤 京一 (あんどう きょういち) 情報労連 中央執行委員長
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