ビストロパパレシピ2024.06
社会人に必要な
自炊力親子丼
2024/06/12
一人暮らしを始めるタイミングは、大きく三つ。高校卒業後の大学進学時と、大学卒業後の社会人になるタイミング。三つ目は、社会人になってから。私の場合は社会人になって2年目に東京転勤になった時に、京都から杉並区に移り住んだ。初めての一人暮らしは、アパートの2階でロフト付きのワンルームだ。キッチンは電熱のコンロが一つだけ。当時は、自炊率ほぼゼロ。とんでもないにおいの納豆チャーハンを作った思い出は忘れていない。
20代は体力があった。食生活が乱れ、睡眠時間は短く、酒をたらふく飲み、たばこを吸い、休みなく働いていた。こんな生活をしていても体を壊わさなかったのは、健康に生み育ててくれた両親のおかげだ。
もう一度、若い頃に戻って、一人暮らしをするなら、絶対に自炊をする。一番の理由は、料理力が仕事力につながるから。買い物から調理、そして片付けまで、日々ひとりでこなすには、当たり前のことをきちんとこなし、身の回りを奇麗に整理整頓する必要がある。管理力も必要だし、料理はクリエイティブアップにもつながる。そして何より、健康にいい。ひとり暮らしをしていた時が、一番不健康で太っていたものだ。
1コンロしかないワンルームで調理するなら、フライパン一つでつくる料理がいいだろう。例えば親子丼。だしと調味料、鶏肉、玉ネギを入れて煮込んで卵を加えて蒸らすだけ。このメニューは、先日、企業の新入社員向けに、自炊力アップのオンライン料理研修をしたときのメニュー。自分の体は、食べたものでできる。若いうちから、自分の体調に合わせて食べるものを選べるようになれば、心も体も健康を維持できて、いい仕事ができるようになるものだ。聞いているかい。30年前のオレ。
調理時間
30分
材料(4人分)
- 鶏もも肉(1枚 300g)
- 玉ネギ(1/2個)*小なら1個
- 卵(4個)
- 三つ葉(2株)*なくてもOK
- 下味
- しょうゆ(小さじ2)
- 酒(小さじ2)*なくてもOK
- てんさい糖(小さじ1)
- A
- 水(200CC)
- だし昆布(1枚)*あるとおいしい
- かつお節(少々)*あるとおいしい
- しょうゆ(大さじ4)
- みりん(大さじ4)
- 酒(大さじ2)
- てんさい糖(大さじ2)
- ごはん(適量)
作り方
- 玉ネギは、縦半分に切り、薄めのくし型に切る。三つ葉はざく切り。卵は割って溶いておく。鶏もも肉を2〜3センチ角ぐらいの大きさに切り、ボウルに下味の材料と合わせからめる。
- 片手鍋(2人分)かフライパン(4人分)にAと玉ネギと鶏肉を汁ごと加えふたをして火にかける。煮立ったら火を弱めて、鶏に火が通るまで3〜5分煮る。
- 溶き卵の半分を、2に回しがけし、少し固まったぐらいで、残りも回しがけし、火を止めて蒸らす。好みの半熟になった段階ででき上がり(刻んだ三つ葉を好みで加えてもOK)。
- ご飯を器によそい、おたまで具と汁をすくってご飯にかけ三つ葉をのせる。
アト辛おとな味:七味
子手伝い:卵を割って溶く。
子手伝い:卵を割って溶く。
- ビストロパパのワンポイント・アドバイス
- 仕事力をアップしたければ、自炊力を身に付けよう。
滝村 雅晴 (たきむら まさはる)
パパ料理研究家。株式会社ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。男性の家事参画や共食の普及・啓発を行う。令和6年度消費者支援功労者表彰ベスト消費者パートナー章受賞。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービスが人気。いっしょに作る料理動画をYouTube「ビストロパパCHANNEL」で配信中。「きょうの料理」「3分クッキング」等出演。