仲間を増やし組織を強くするグループのどの会社で働いても
安心して力を発揮できる環境へ

副中央執行委員長
これまでの経過と課題
KDDI労働組合とKDDIは、「組合員のみならず、全社員が一丸となってより良い会社をつくることが重要」との認識の下、2011年12月にユニオン・ショップ協定を締結しました。以降、裁量労働制、勤務間インターバル制度、ハラスメント協約、KDDI版ジョブ型人事制度──等、さまざまな制度や施策に対し、異なる立場の組合員の意見を踏まえた協議を重ね、現在の労使関係を構築してきました。
一方で、KDDIグループの事業領域が拡大する中、グループ会社の数も増加傾向にあり、多くは未組織会社となっています。それらグループ会社へ出向する組合員は一定数おり、うち一部の会社には労働者の専門性発揮を目的とした希望移籍も実施しています。出向先の職場環境の課題については、当該の会社や職場でともに働く労働者の協力が不可欠であり、組織的な対応が課題となっています。
基本的な考え方
KDDI労働組合は、これまでKDDI労使で築いた集団的労使関係のあり方をグループ全体に展開することで、労働者がより安心とやりがいをもって仕事に向き合う風土基盤を醸成し、その能力を存分に発揮することで得られる成果により、KDDIグループの健全かつ持続的な発展と、そこで働く労働者の物心両面の幸福に寄与する──との考えに基づき、未組織会社の組織化に取り組んでいます。
その上で、労働者だけでなく会社からも理解と賛同を得られる組織結成が組織の持続性を支える鍵であり、当該労使の十分な理解と信頼関係の上に労働組合を育てることが何より重要と考えます。
2025年度の活動
2025年度は、未組織会社の中でも、出向組合員の状況、資本関係の深度、会社との関係性・親和性等を踏まえた優先会社への集中的なアプローチを前提に、引き続き関係性の構築を中心とした各種取り組みについて粘り強く推進します。
中でも、グループ内の未組織会社や労働者に対し、労使共催による「KDDIスポーツフェスティバル」をはじめ、各地での労使共催イベントや事業所単位の催し等への参加の声掛けにより交流機会を創出するとともに、出向者と同じ職場で働く仲間を対象とした意見交換会やワークルール・職場労使自治の学習会の開催等、「労働組合とは何か」を広く伝える活動を、職場の執行委員と連携しつつ積極的に展開します。
加えて、対象となる会社への直接訪問を強化し、出向者等を通じた職場課題やグループ横断的な課題、業種特性に即した産別の動向や調査結果の共有等を通じて、「組織化は人材の定着や離職防止、生産性向上といった経営側が抱える課題
組織拡大は、未組織の会社を「変える」のではなく、「もっとよくする」ための取り組みと考えます。働く仲間がグループのどの会社で働いていても安心して声を上げられる環境を整え、力を発揮できる舞台を広げることがKDDIグループ全体の持続的な発展につながるとの想いを持って、すべての仲間とともに、取り組みを着実に進めてまいります。