沖縄の県民大会6万5000人が参加
怒りは限界を超えた海兵隊は撤退を
元海兵隊員による女性死体遺棄が発覚したことを受けて、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」主催による「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会」が6月19日、那覇市・奥武山陸上競技場で開催され、県内外から6万5000人が参加した。情報労連も沖縄県協を中心に組合員約100人が参加した。
大会ははじめに古謝美佐子さんによる「童神」の演奏があったのち、参加者全員が被害者に黙とうを捧げた。
続いて、被害者の父親からのメッセージが読み上げられた。被害者の父親はこの中で、「次の被害者を出さないためにも『全基地撤去』『辺野古新基地建設に反対』。県民が一つになれば、可能だと思っています」と訴えた。
その後、「オール沖縄会議」の共同代表があいさつした。あいさつでは、「沖縄戦から71年間何も変わることなく、沖縄県民の人権は無視され多くの犠牲を押し付けられてきた。今回もまた一つの命を救えなかった」(稲嶺進・名護市長)、「ベトナム戦争当時、レイプされ絞め殺されそうになった女性たちに会った。今日でも同じことが起きている」(高里鈴代・基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表)、「彼女で最後の犠牲者とすべく、具体的な有効策を講じることが我々に託された責務だ」(呉屋守將・金秀グループ会長)など、繰り返される事件・事故に対する強い抗議の声が上がった。大学4年生の玉城愛さんは、「今回の事件の『第二の加害者』は、安倍首相であり日本本土に住む皆さんです」などと訴えた(下記掲載)。
このあと、若者世代のメッセージとして4人の若者が登壇。「安全保障とは一体何なのか。一番の脅威は私たちを襲う米兵の存在ではないか。誰かの犠牲の上に成り立つ平和ではなく、一人ひとりの命を大切にする本当の平和を求めていきたい」などメッセージを発信した。
次に翁長沖縄県知事が登壇し、発言。翁長知事は沖縄の方言で「グスーヨー(皆さん)、負ケテナイビランドー(負けてはいけません)。ワッターウチナーンチュヌ(私たちの沖縄人の)クワウマガ(子や孫を)マムティイチャビラ(守っていきましょう)」などと訴えた(下記掲載)。
最後に大会決議が採択された。この中では、日米両政府に対して「遺族に対する謝罪と完全な補償」「日米地位協定の抜本的改定」を求めるとともに、「在沖米海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・撤去」を求めた。
沖縄県議会は5月26日、在沖海兵隊の撤退を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決している。在沖海兵隊すべての撤退要求を県議会として決めるのは、1972年の本土復帰後初めて。県民大会での決議などを含めて沖縄の民意は新たな段階に踏み込んでいる。
第二の加害者は日本本土に住む皆さん
今回の事件の『第二の加害者』は、安倍首相であり日本本土に住む皆さんです。しっかり沖縄に向き合ってほしい。軍隊の本質は人間の命を奪うことだ。再発防止や綱紀粛正などという提案は、軍隊の本質から目をそらす貧相なもので、何の意味もない。
同じ世代の女性の命が奪われる。もしかしたら、私や私の友人だったかもしれない。生きる尊厳と生きる時間が、軍隊によって否定される。命を奪うことが正当化される。このようなばかばかしい社会を作った責任は、私にもある、私も当事者である。彼女が奪われた生きる時間の分、ウチナーンチュとして、一市民として誇り高く責任を持って生きていこう。
皆さん負けてはいけません
子や孫を守っていきましょう
21年前の県民大会で二度とこのような事故を繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えることができなかったことを、知事として大変申し訳なく思っている。
政府は、県民の怒りが限界に達しつつあること、またこれ以上の基地負担に県民の犠牲は許されないことを理解すべきだ。県民の生命と財産、尊厳と人権を守るべき知事として、日米地位協定の抜本的な見直し、海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理縮小、新辺野古基地建設阻止に取り組んでいく不退転の決意をここに表明する。
皆さん負けてはいけません。私たちの沖縄人の子や孫を守っていきましょう。頑張っていきましょう。