渋谷龍一のドラゴンノート2017.01-02

第4話 出産の最新事情と夫の変化

2017/01/17

女性を仕事から引き離す大きな原因が出産なのですが、その半面で、女性を仕事に戻す力学が働いているのも事実です。

マスコミ報道で出生率という言葉をよく聞くと思います。女性が一生のうちに出産する子どもの数に相当する数を推計したものです。2015年の出生率(正確には合計特殊出生率)は1.45です。2014年の1.42より少し上昇しました。最低記録は2005年に記録した1.26です。

もう一つ、出生率ほど有名ではありませんが、夫婦が最終的に産む子どもの数とみなす出生児数(正確には完結出生児数)があります。出生児数は2010年に1.96人と初めて2人未満になり、2015年は1.94人です。3人以上の子どもを産む夫婦も、子どもがいない夫婦も含まれてはいますが、データ上は少子化の現実として、兄弟姉妹のいない「一人っ子時代」に突入したことを教えてくれます。ただし、2015年に出生した子どもの数自体は100万5656人で、4年連続で減少していた2014年から2000人ほど増えました。

また、女性が初めての子どもを産む年齢は上昇し続けており、2015年では30.7歳に達しています。晩産化です。一方、初めて結婚する年齢(初婚年齢)も、夫が30.7歳、妻が29.1歳ですから、晩婚化です。結婚、出産は30代の営みになっています。子どもの数が少なく、現在のように1人に近づくほど、仕事に戻りやすくなります。少子化が進むということは、本来は妻の職業人生が太くなることです。

一方、夫の方はといえば、職業生活の将来は不安定になってきています。たとえ失業しなくても、給料は長期でみると低下していますから、経済力が落ちた夫に全面的に頼るのは難しくなっています。ですから、家計の維持のために妻が働くことを迫られる傾向が強まっています。

実際に、退職してから家庭に入り、早々に再び働く女性が増えています。ライフコースは少しずつ変わっているのです。

渋谷 龍一(しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
『女性活躍「不可能」社会ニッポン原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)で2016年貧困ジャーナリズム賞を受賞。
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