トピックス2017.03

民進党・蓮舫代表と女性組合員が座談会若い世代が先入観を乗り越えていく
多様な選択を可能にする社会へ

2017/03/16
1月26日、民進党の蓮舫代表が情報労連本部を訪れ、情報労連の女性組合員と「女性の働き方」などをテーマに意見を交わした。人生の節目に女性たちの前に立ちふさがる現実などを巡って活発な意見が飛び交った。
蓮舫 民進党代表 座談会出席者 太田 千春さん(NTT労組東京総支部西分会)、蓑津 寿美子さん(NTT労組ドコモ本部サポート分会)、細井 檀さん(KDDI労組本社中央支部)、宇佐美 詩帆さん(通建連合ミライトグループ労組)、高梨 真貴子さん(情報労連中央本部政治部長)、吉川さおり参議院議員(司会)

蓮舫代表は怖い?

吉川

皆さんは蓮舫代表にどんな印象を持っていましたか?

宇佐美

正直、怖いというか。今日もドキドキして来ました(笑)。

蓑津

私もちょっと怖い人かなと(笑)。でも今お会いしてとても柔らかい雰囲気を感じました。

蓮舫

周囲からは、黙っていたら怒っている、笑っていたら何かたくらんでいるなんて言われるんです(笑)。

細井

私は、社会で活躍する女性の代表というイメージです。

太田

私はキャスターのイメージが強いですね。ピアスがかわいいですね。

蓮舫

娘と一緒に渋谷で買ったもので300円なんです。

一同

えー。見えないです(笑)。

吉川

蓮舫代表は皆さんにどんな印象を持ちましたか。

蓮舫

皆さんは働きながら組合活動もされているんですよね。今、自治会とかPTAとか地域社会を支える担い手が減っています。そういう中で皆さんは組合活動に携わり職場を変えようとしている。すごいことだと思います。

20年前にも30年前にもがんばった女性たちがいて、その努力の積み重ねで今がある。私は、そうして築かれてきたものを次世代につなぎたい。そのために、苦しいときもあるけれど、がんばっている。でも楽しんでやっているから(笑)。

女性だから諦める?

吉川

皆さんが職場で体験していることを教えてください。

細井

発展途上国の経済発展にかかわる仕事がしたくて今の会社に入りました。以前、海外に転勤する話があったのですが、なくなってしまいました。女性だから安全が確保できないという話でした。正直、悔しかったです。

昨年に結婚したのですが、今後の出産とか育児とかを考えると、自分のやりたい仕事が当分できないかもしれないと思って、それが課題です。

蓮舫

育児休業や時短勤務の制度は整っているの?

細井

制度は整っていますし、みんな利用しています。

蓮舫

皆さんは、いろんな生き方をつくっていけるから、自分の可能性を小さくしないでほしい。

蓑津

私はコールセンター勤務です。現場でお客様対応しているスタッフは派遣社員ですが、派遣社員は妊娠・出産すると、仕事を続けたくても辞めないといけないという現状があります。

蓮舫

私たちは民主党政権時代に派遣法を改正して直接雇用を促進する仕組みをつくりました。安倍政権はそれを改悪して、企業が派遣社員のままずっと勤務させることを可能とする仕組みをつくった。これでは未来が見えませんよね。

雇用形態によって人生設計が変わってしまう。あるいは、結婚・出産さえも、先々の計算をしないといけない。こういう壁や、何かを諦めないといけない空気を取り払いたい。これが私の強く思っていることです。

職場の体験を伝える

太田

私は育児休業からの復帰時に、東京から群馬まで新幹線通勤をすることになりました。復帰後は4時間勤務で、若い後輩からは「もう帰るんですか」と言われたりしました。「こっちは帰ってからの方が大変なんだ」と思いましたけれどね。それでも優しい先輩たちがいたから助かりました。

今の職場は60歳以上の契約社員も含めて、50代後半以降の先輩ばかりです。若い人に育休などの経験を伝えたくても難しいです。職場の年齢構成を考えてもらいたいですね。

蓮舫

メンター的に、経験を伝授する仕組みがあるといいですね。

吉川

新卒採用を絞った時期がありましたからね。50代が一番若いなんていう職場もあると聞いています。

宇佐美

皆さんは出産や育児の悩みですが、私はそこまでいけるかなというのが悩みです。この前、男性上司に「いつ結婚するの」と聞かれました。私は今、全国を担当する部署にいて各地に出張しているのですが、結婚したら全国出張させるのは申し訳ないと言うんですね。今の仕事は楽しいので、どう考えたらいいのかと。

蓮舫

まず、今の仕事をわかってくれるパートナーを見つけられるといいですね。パートナーと一緒に問題なく働けるにはどうしたらいいかを話し合うことは大事です。もちろん、会社とも詳しく話をしなければなりません。

宇佐美

男性が育休などを利用しづらい雰囲気があるので、結局女性が制度を取得して、男性に仕事が偏ってしまっています。

蓮舫

私たちは育児休業給付金を男女ともに100%にするように提言しています。そうすることで選択の幅が少しずつ広がっていく。いろいろな選択ができるようにしていきたいですね。

蓮舫代表のめざす社会像

吉川

情報労連はどう受け止めましたか。

高梨

長時間労働は情報産業の課題です。情報労連は勤務間インターバル制度をいち早く推進してきました。働き方改革の機運が高まっているので、さらに推進していきたいです。

また、情報労連は2020年までに指導的地位における女性の割合を30%にすることなどを目標に活動しています。女性がいろいろな場面にもっと参画する機会を増やすことが大事だと考えています。

吉川

民進党はどんな社会をめざしていきますか。

蓮舫

民進党の結党理念は、自由と共生と未来への責任です。この中で私がいま最も重視するのは共生です。新自由主義やグローバリズムを背景に、排外主義や利己主義が広がっていることを危惧しています。

だから私たちは共生を大切にしたい。自民党は改憲草案で家族を基礎単位にし、互いに助け合うべきと記しました。私は一人ひとりが自由に、そしてともに支えあえる共生の社会をつくりたいと思っています。

育児と介護にもっと安心を

吉川

皆さんから政治に求めたいことはありますか。

細井

働く女性が、バリバリ働いて管理職になる人と、育休などの制度を利用して管理職になれない人と二極化していると思っています。例えば、小学生向けの学童保育をもっと充実させたり、働きやすい環境になってほしい。中小企業の労働環境にも目を向けてほしいですね。

蓑津

私の会社も制度が充実していて、利用できないような雰囲気はありません。それでも、育休復帰後のキャリアのことを考えると出産をためらうこともあるかもしれない。待機児童の問題もあります。子どもが育てやすい社会にしてほしいです。

宇佐美

私の業界は、時間外労働がとても多くて、年休取得率も低いです。育休を取得しやすくするためにも、まずは残業の削減です。勤務間インターバルもぜひお願いしたいです。

太田

私は子育てが一段落したので、介護のことが気になり始めています。私の両親は遠方に住んでいるので、安心できる仕組みがあるといいですね。

蓮舫

育児と介護ですよね。施設だけつくっても、そこに働く人がいなければ意味がありません。だから保育士と介護士の賃金をしっかり上げる。予算を振り分ける。それが成長産業になります。それと併せて教育の無償化です。そうやって、ライフステージの節目で個人が犠牲にならない社会をめざしたい。これが私たちのめざしている社会です。

高梨

人への投資が大切だと思います。子ども手当や高校授業料の無償化を実践してきた民進党だからこそ期待しています。

吉川

最後に質問は?

細井

若い世代の働く女性にメッセージを。

蓮舫

諦めないで。この一言です。自分の夢を諦めないでほしい。若い世代は先入観を乗り越えていく世代だと思うんですね。だから諦めないでと言いたい。女性が諦めたらこの国に未来はないから。人生楽しみたいじゃない。がんばろう!

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