巻頭言2017.11

第48回衆議院議員選挙の結果を受けて

2017/11/14

“大義なき選挙”と揶揄された『第48回衆議院議員選挙』

超大型の『台風21号』が日本列島を縦断し、投票率も53.68%(前回を若干上回るワースト2位)にとどまる中、終わってみれば、巨大与党が“絶対安定多数”を獲得し、引き続き『一強多弱』の政治状況が継続することに愕然とするばかりである。

結果の詳細については、マスコミ報道のとおりであり割愛するが、『安倍一強政治に歯止めをかけ、日本の針路と政策を選択する政治決戦』と位置付けた情報労連の取り組みに、参画いただいたすべての皆さんに心からの御礼を申し上げたい。

今次総選挙が、『民進党』の『希望の党』への合流や『立憲民主党』の旗揚げなど、野党が混乱・混迷する状況にあって、情報労連が全国で推薦した候補者184名(組織内2名、重点14名、組織外168名)の戦いが極めて厳しいものであったことは言うまでもない。

候補者の所属政党が、『希望の党』『立憲民主党』『無所属』へと分化する中で、組織内候補である『田嶋要』(千葉県1区)は『希望の党』、『岡本あき子』(宮城県1区)は『立憲民主党』からの立候補を決断するに至ったが、『山井和則』(京都府6区)をはじめとする重点推薦候補(14名)についても区々となる状況下で、とりわけ、ブロック単位に当落が確定する「比例区代表」への対応などについては、“組織内・重点推進候補の必勝を第一義”とした情報労連の取り組みについて意思統一し、組織の総力を挙げた取り組みを展開してきた。

選挙戦を通じ、公示直前に旗揚げをした『立憲民主党』の健闘はあったものの、野党のドタバタ劇は、結果として与党を利することとなったが、直後に実施されたマスコミ各社の「世論調査」では、安倍首相の政策について不安視し、首相の続投を望まない多くの回答が寄せられたところであり、政権批判の受け皿と成り得なかった野党の責任、とりわけ、『名を捨てて実を取る』とした上での、その後における『希望の党』の一連の対応については、厳しく総括されるべきである。

動静を見極め慎重・丁寧に対処する

このような中で、組織内候補である『田嶋要』(千葉県1区)の6選と、『岡本あき子』(宮城県1区)の初陣を、選挙区において果たすことはできなかったが、“比例区”での当選を勝ち取るとともに、『山井和則』(京都府6区)をはじめとする重点推薦候補(14人)を含め“全員当選”という結果を出していただいた。

このことは、情報労連にとっても今後につながる大きな成果であることは言うまでもなく、この間の各構成組織・県協議会のご理解・ご協力に対し、改めて深甚の敬意と感謝を申し上げるとともに、厳しい選挙戦を勝ち抜いて当選された皆さんの奮闘と活躍に期待したい。

いずれにしても、選挙結果を踏まえた各政党の動きは、11月1日召集の特別国会を前後して活発化するが、多くの組織内・重点国会議員、そして、地方自治体議員を抱える情報労連としての“誤りなき対応”が求められる。分化した各党や連合などの動静をしっかりと見極めた上で、慎重かつ丁寧に対処する。

野田 三七生 (のだ みなお) 情報労連中央執行委員長
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