2018春季生活闘争に向けて
中小企業、有期契約等で働く仲間に“光”を当てる
連合・第76回中央委員会(12月5日)での『2018春季生活闘争方針』の決定を受けて、各構成組織の策定作業が急ピッチで進められている。
このような中、情報労連としての方針論議は、第10回定例中央執行委員会(11月17日)における『方針(骨子)』の提案を経て成文段階を迎えており、最終的には、来年1月31日の第48回中央委員会で決定することとなる。
大きな方向感としては、「連合春闘の枠組み」の中で要求を確立、その獲得をめざすこととし、連合がめざす「2%程度(定期昇給分を含め4%程度)」を基準とした賃金引き上げによる『底上げ・底支え』『格差是正』と、『すべての労働者の立場に立った“働き方改革”』に取り組むとの考え方について、連合構成組織の一員として、積極的に受け止めたい。
また月例賃金の引き上げによる「経済の自律的かつ持続的成長」や、「多様な雇用形態間の不合理な格差の是正」─等は、2014春闘以降、継続的に追求してきたテーマであるが、「来春闘においてさらに強化する」との連合としての意志、とりわけ、サプライチェーン全体で生み出された“付加価値の適正配分”“労働時間適正化の取り組み”“同一労働・同一賃金”の実現――が、『2018春闘』の最重点課題となることを肝に銘じたい。
そこで、情報労連の春闘。
「すべての働く仲間の『総合労働環境(賃金・一時金・福利厚生・労働時間および労働関係法制を踏まえた環境整備等)の改善』をめざす闘い」と位置付けた上で、“労使自治”を基本に、課題を先取りした主体的取り組みとともに、中小企業や有期契約等雇用で働く仲間に“光”を当てる来春の取り組みとしたい。
すべての加盟組合の春闘組織化にこだわる
情報労連に集う加盟組合(250余)に対置する各企業の事業運営が区々であることは言うまでもないが、昨年要求を見送った多くの県協加盟組合を含め、すべての加盟組合の春闘組織化にこだわるとともに、そのための(1)要求に向けた取り組みの見える化(2)組合員からの意見収集(3)会社制度のチェック(4)交渉体制等の環境整備――など、中央本部・加盟組合・県協議会の連携を密に、臨むこととする。
いずれにしても、60年余の歴史を持つ『春季生活闘争』は、『企業内労働組合』をベースとする日本における労働運動の知恵であり、労働環境の整備にとどまらず、対置する企業の事業運営をチェックし、自らの組織を診断・強化する極めて重要な取り組みである。要求の確立から妥結・決着に至るまで、組合員の理解・参画の下での取り組みとなるよう、各構成組織の奮闘に期待したい。
その上で、情報通信・情報サービス・通信建設業にかかわる各社の事業運営は、決算動向などを含め“おおむね順調に推移している”とのこと。三役組合であるNTT労組・通建連合・KDDI労組においては、産別方針を踏まえた積極的要求の確立はもちろんのこと、その獲得に向けた“けん引役”としての役割発揮を要請しておきたい。