沖縄県民投票
沖縄県民投票
まずは、2月24日の投開票で実施された『沖縄県・辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票』。
結果は、投票率52.48%、反対72.15%(43万4273票)、賛成19.10%(11万4933票)、どちらでもない8.75%(5万2682票)であった。
とりわけ、今次選挙における反対票は、玉城デニー知事が、昨年9月の県知事選挙において獲得した39万6632票(過去最多得票)を上回るものであり、この間の国政選挙をはじめとする各種選挙結果と同様に、沖縄の強い民意が改めて示されたところである。
翌日の新聞には、投票結果もさることながら、今回の県民投票においては、いくつかの自治体が投票への不参加を表明する中、「若い皆さんの行動が大きな役割(全自治体における投票)を果たした」との記事も。長崎の「高校生平和大使」の合言葉“私たちは微力だけれど、無力ではない”を想起したところであるが、大きな社会的課題に対し、自らの課題として向き合い行動する若い皆さんの言動に学びたいものである。
ここにきて、埋め立て北側区域の軟弱地盤の問題が惹起し、工期の長期化や経費の高騰が指摘される状況にあるが、政府は、埋め立て工事の継続を示唆しているところであり、“真摯に受け止める”“沖縄の民意に寄り添う”との言葉を使うのであれば、『日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険除去を考えた時に、辺野古移設が唯一の解決策』との方針については、一旦立ち止まり再考すべきではないのか。情報労連は、沖縄が抱える問題を自らの問題とし、今後の動向を注視していくことについて申し上げておきたい。
2019春季生活闘争
次に、『2019春季生活闘争』。
本誌発刊の時期(3月中旬)、情報労連の取り組みは、連合が設定した『第一先行組合決着ゾーン』のただ中にある。
現状(2月26日入稿)において妥結結果を見通すことは困難であるが、情報労連の先行部隊である全国単組(NTT労組・通建連合・KDDI労組)の労使交渉は、最大のヤマ場(3月13日)での妥結・決着に向けた最終局面を迎えていることだろう。
年明け以降の世界経済におけるリスク(米中の貿易摩擦による中国経済の鈍化や英国ブレグジットによるEUの混迷──等)の高まりによって、輸出産業を中心に日本企業の収益が悪化し、連合春闘の相場形成に大きな影響を及ぼす製造業を中心とした大手組合の厳しい交渉模様も報道される中にあって、すでに交渉を展開している情報労連の各加盟組合からは、月例賃金の要求を掲げた2014年以降の春闘を見渡しても、極めて厳しい労使交渉の現状が報告されている。
特に、今次春闘の大きなテーマである(1)「長時間労働の是正」や「同一労働同一賃金」に対する具体的対処や、(2)サプライチェーンを意識した成果の適正分配──等の要求は、企業にとっては人件費等の増加につながるものであり、会社側がかたくなな姿勢に終始する要因ともなっているが、各加盟組合の今次要求は、日本経済の自律的成長を実現し、当該企業の持続的発展に向けた『人財への投資』にほかならない。
各加盟組合の『自主交渉・自主決着』による原要求にこだわった妥結・決着に期待したい。