渋谷龍一のドラゴンノート2020.03

【第3編】職場~企業と「カイシャ」・作法の違いを知っていますか~労働組合

2020/03/13

「労働者の宿命」を背負ってカイシャで働く労働者の苦悩がわかりかけてきましたか?労働問題を解決するためにさまざまな手段があるはずですが、労働組合は外せません。いや、最後は労組に期待するしかないでしょう。

日本で最も多いのは企業別組合ですから、あなたが最初に目にする企業別組合の話をします。産別組合やナショナルセンターなどそこに組合員がいない労組も大切な役割を果たしていますが、後回しにしましょう。

労組は長らく停滞し衰退しています。一番わかりやすいのは、雇用者数に占める組合員数で割った「推定組織率」で毎年低下し続けています。2019年は16.7%で最低新記録更新中。組合員は労働者のおよそ6人に1人です。

ところが、本当の恐ろしさは推定組織率の低下ではありません。親友の金英さんが書いた『主婦パートタイマーの処遇格差はなぜ再生産されるのか』を読むと、主婦パートが正社員との埋め難い格差に対して諦めたり抵抗したりする姿が克明に描かれています。そこでは主婦パートの少なくとも半数が組合員でありながら、労組が役に立っているとは認めていないように見えます。

いま「推定組織率」の低下を鈍らせ、唯一組合員数を伸ばしているのがパートで、その多くは主婦パートなのです。同様に、正社員の中には労組は役に立たないから本当は組合費を払いたくないとか、できるなら組合員をやめたい労働者が結構います。

もし、全体でそうした潜在的な非組合員が控え目に3人に1人いるとして除外したら、「リアル組織率」は11%まで落ちます。3人に1人では済まないのなら、リアル組織率はあっという間に1ケタになってしまいます。

母親になりたいあなたは、労組の衰退に直面し、労組に何を問い、何を求め、何に期待しますか。何をすべきでしょうか。それを考えてほしいのです。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
『女性活躍「不可能」社会ニッポン原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)で2016年貧困ジャーナリズム賞を受賞。
渋谷龍一のドラゴンノート
特集
トピックス
巻頭言
常見陽平のはたらく道
ビストロパパレシピ
バックナンバー