労働組合は、だから必要だ!実践!新入社員の仲間づくりはこれをすべし
加入説明会の実施法
組織拡大局長
新入社員への仲間づくり(加入説明会)は、働く者の「安心・安定」を入社直後から労働組合としてしっかり提供するための重要な取り組みです。と、同時に、新入社員と労働組合が初めて接する機会でもあり、良くも悪くも労働組合に対する印象もここで決まることも多く、取り組みには細心の注意が必要です。
新入社員の仲間づくりは、その規模や業種によってさまざまであり、各組織で創意工夫して取り組んでいるところですが、ここではオープンショップ制の労組における基本的な対応について記載したいと思います。
1.計画の策定
〈情報の入手〉
まずは入社に関する情報を会社から入手しましょう。入社人数、入社式(新入社員研修)の日程・場所は、労働組合にとっても会社の経営状況にかかわる重要な事項です。普段より経営協議会などを通じて入手できる労使関係・環境整備をしておきましょう。
〈場の設定〉
実際に新入社員対応の場の設定(加入説明会)については、勤務(入社式や研修)終了後に労組が用意した場所での実施が基本となります。未組織の新入社員を集めることになりますので、事前に会社との十分な意識合わせが必要不可欠です。
2.対応の留意点
〈説明内容〉
まず意識しなければならないのは、「新入社員は労働組合のことを知らない人がほとんどである」ということです。ですから、「労働組合(の重要性)とは何か」を理解してもらう必要があります。
次に「『全員加入』こそが労働組合を維持し、強化する」こと、言い換えれば、「労働組合は新入社員を含め、労働者を守る重要な存在であり、その力の発揮の程度は皆さんの加入による」ということを理解してもらうことが重要なポイントになります。
これらの内容を新入社員の心に響くように説明するために、(1)新入社員が親しみを感じる効果を期待し、新入社員と年齢の近い若手役員が説明を行う(2)職場で起こる具体的な事柄を取り入れたQ&A方式やケーススタディーで内容を説明する──など、創意工夫した取り組みをしている組織もあります。また、著作権がフリーになったマンガを活用した労組の加入説明資料を作成している労組もあります。マンガを読む気軽な感覚で、自然と労働組合の必要性が理解できるようなツールとなっています。
〈労組の加入申し込み〉
加入申し込みにあたっての一番の留意点ですが、「加入を強制しない」ことです。あくまでも労組加入は新入社員本人の意思になります。
しかし、職場で起こり得るさまざまなトラブルは入社直後に発生しないとも限りません。とりわけ、弱い立場にある新入社員こそ労組加入の必要性が高いといえます。従って、加入に対し後ろ向きな新入社員に対しても、粘り強く、堂々と労組加入の必要性を訴求することが重要です。
3.当日の流れ
加入説明会当日の大まかな流れは以下のようになります。
(1)委員長あいさつ
入社のお祝いと歓迎の意を伝えるとともに、ともに働きがいのある職場をつくり、よりよい会社にしていくメッセージを力強く伝えましょう。
(2)加入説明
(1)労働組合の必要性(前2.参照)
(2)自組織の活動理念や取り組みの紹介
(3)加入申込書の記載説明および回収
当日時間内までに記載しない(加入の意思がない)新入社員については、後日再対応を行いましょう。
4.最後に
仲間づくりの成功の秘訣は「相手の立場になる」ことだと思います。新入社員の頃を思い出せない方は、前年度入社の組合員の皆さんからアドバイスをもらうことも良い取り組みだと思います。
皆さんの取り組みの熱意が新入社員の皆さんに届くことを心から願っています。