渋谷龍一のドラゴンノート2020.07

【第4編】パートナー〜そろそろ「オトコ社会」に気付きましたか〜動かざること山のごとし

2020/07/10

パートナー(男性)は、仕事があることを在宅時間が短いことの免罪符にしていました。ですから、新型コロナウイルス危機で、巣ごもり・在宅勤務になっている父親なら、仕事は仕事としても、少なくとも通勤時間や交際時間分は家事・育児・介護に回せるという期待が働くのは当然です。会社で活躍してきた母親も在宅勤務になれば、なおさらでしょう。

しかし、やはりと言うべきか、二つの心配が的中しています。一つ目は、パートナーは巣ごもり生活でも、ほとんど家事や育児へ接近する動きをみせないことです。

休校措置後の生活状況を調べた「ママタス調査」(2020年3月)によると、子どもの休校対応の母親と父親の分担割合は、母10対父0が52.5%、母9対父1が18.5%と、ほとんど母親が担っています。昼食や弁当作りなどの分担は母10対父0が74.9%にのぼり、休校による欠勤は、「5日欠勤」が母13.4%で父1.7%、「欠勤せず」が母54.8%で父88.3%。パートナーは相変わらず動かず、まったく頼りになりません。

すると、もう一つの心配の衝撃は甚大です。子どもとパートナーが家に陣取り家事・育児が増えること、食費がかさむこと、教育面の対応などです。生活一変で心身と経済的な負担が母親にのしかかっています。

前回の女性活躍の話に戻ると、どの調査をみても、女性の管理職志向が弱く、はっきり言うと管理職になりたくないという結果になるのは当たり前でしょう。パートナーが時間をたっぷり使って管理職になり、今度は管理職になったから家事・育児・介護ができない、と言っているからです。女性は管理職になる時間を奪われています。

学者が女性の管理職志向を強化するにはどうしたらよいかとか、そのための人事制度はどうあるべきか、と真顔で話すのを聞いて、申し訳ないのですが笑ってしまいます。「女性活躍推進法」に沿って管理職志向を変えたり人事制度を編み出そうとする前に、わが家の原因は問題にしないのでしょうか。空理空論にはすごいものがあります。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
『女性活躍「不可能」社会ニッポン原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)で2016年貧困ジャーナリズム賞を受賞。
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