特集2022.01-02

石橋みちひろは
こんな人
持ち前の馬力と調整力を発揮して
国際労働運動をけん引

2022/01/19
国際労働機関(ILO)職員の経歴がある石橋議員。国際労働の分野でどんな活動をしてきたのか。厚生労働省の総括審議官としてILO総会・理事会の政府代表を務め、ILO駐日事務所の代表などを歴任した長谷川真一氏に石橋議員の活動を紹介してもらった。
長谷川 真一 日本ILO協議会専務理事

ひそかな期待

私が現在活動を続けている日本ILO協議会は、現役時代にILOにかかわった日本の政労使が中心となって立ち上げたNPO法人です。ディーセントワークなどILO理念の普及をめざして、ILO活動推進議員連盟(ILO議連)やその事務局長である石橋議員と密接に連携して活動しています。

皆さんもご存じのとおり、石橋さんは国際経験が大変豊富な議員です。シンガポールのICFTU(国際自由労連、現在のITUC)での勤務を経て、2001年からはILOの職員として、イタリアのトリノ、フィリピンのマニラで約8年勤務されました。

私は、石橋さんのILO勤務の最後のころにILOアジア太平洋総局長(バンコク)を勤めていました。直接石橋さんと同じ場所で仕事をしたことはありませんが、評判はよく聞いていました。

石橋さんはアジア各国の労働組合の支援の仕事をしていましたが、担当する組合の皆さんから大変評価が高く、感謝されていました。石橋さんは今も児童労働撲滅のための活動に熱心です。昔パキスタンのレンガ工場で見聞きした児童労働の深刻な実態にショックを受けて、何とかしたいと思ったのが自分の政治活動の原点であるという話をされますが、現場を見て、問題を解決しようとする彼の熱意、そして関係者の目線で物事に対処する姿勢がアジアの組合の皆さんの心に響いていたのだと思います。

私は当時、石橋さんがいずれきっとILOの中心的な幹部として活躍する日本人になるに違いないと、ひそかに期待していました。

持ち前の馬力と調整力

国会議員になられた後、石橋さんはすぐにILO議連の事務局次長(2013年からは事務局長)になりました。ILO議連は超党派の有志議員により1988年に発足した歴史のある議連です。政権交代など政局が流動化する時期に活動が一時停滞しましたが、石橋さんは裏方として、議連の再活性化に大きな力を発揮しました。2011年秋に京都で行われたILOアジア太平洋地域会議の時には、直島会長ほか民自公の議連幹部とソマビアILO事務局長の会談や、会議の参加者向けにILO議連主催の懇談会をセットされるなど活躍されました。

超党派の議連の運営は簡単ではありません。石橋さんは持ち前の馬力と調整力を発揮して、最近もILOの専門家を招いて勉強会を開催するなど、ILO議連の活発な活動をけん引されています。2018年には、超党派のベトナム・カンボジア調査団を組織し、現地の政労使との会談、ILOの技術協力活動や日系企業の視察などを行いました。

特筆すべき成果

特筆すべきは、2019年に、ILO議連のイニシアチブで、衆議院および参議院の本会議全会一致で「国際労働機関(ILO)創設100周年に当たり、ILOに対するわが国の一層の貢献に関する決議」を可決したことです。この中で、日本が未批准の二つのILO中核的条約に関し、引き続き批准に向けて努力を行うことが明記されました。その後、このなかなか困難な懸案について、コロナの中でも関係の法改正が行われるなど前進が見られますが、これに石橋さんの貢献が大きいことは、関係者が皆知っていることです。

日本ILO協議会の兄弟団体である韓国ILO協会を立ち上げ、長く会長をやられた権重東さんは、韓国電信・郵便労組委員長から国会議員になり、韓国で労働省ができた時に初代の労働大臣になった方です。私は、国際感覚を兼ね備えた石橋議員にも今後ますます重責を担って活躍していただきたいと思っています。

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