特集2022.01-02

石橋みちひろは
こんな人
「国会クラスタ」から見た石橋議員とは?
「実務的な技術にもたけている」

2022/01/19
石橋議員の国会での活動は、国会中継をよく見る「国会クラスタ」の人たちにどのように映っているのだろうか。政治ライターの平河エリさんに聞いた。
平河 エリ 政治ライター

国会中継の醍醐味

「国会クラスタ」と呼ばれる人たちがいる。クラスター(cluster)とは、人や物の群れや集まりのこと。「国会クラスタ」とは、国会中継を見ながら感想や論評をツイッターで発信する人たちのことだ。

「読む国会」というブログを運営し、昨年『25歳からの国会:武器としての議会政治入門』を出版した政治ライターの平河エリさんも仕事柄、国会中継をよく見る一人だ。

「国会での議論をばかばかしいと思う人もいるかもしれませんが、それだけではないのは見ていればわかります。質問する野党の国会議員も、答弁する与党の国会議員や官僚も基本的に頭の回転が速い人たちなので、議論としてレベルの高いものが多いです」と話す。

国会中継の醍醐味の一つは、野党議員が質問を積み上げて、大臣や官僚の論理矛盾やごまかしの部分を鋭く追及していくところにあると、平河さんは指摘する。

最近注目したものとして、介護施設などへの看護師の日雇い派遣が解禁された問題を挙げる。これは、厚生労働省が認めなかった看護師の日雇い派遣を規制改革会議が突如認めた問題で、規制緩和を要望したNPO法人の不透明な実態などが浮かび上がっている。一連の経緯は、野党議員の追及によって明らかになり、石橋みちひろ議員も2020年4月の厚生労働委員会でこの問題を追及した(https://www.youtube.com/watch?v=G-TVy5insvo)。

「国会では野党が行政監視の機能を担います。野党が政府の矛盾や足りない点を追及するのは、当然の仕事です。批判というと侮辱とか罵倒のイメージがありますが、批判はそれとは異なります。そこを理解した上で国会を見るとイメージが変わります」と平河さんは話す。

国会クラスタでも評価高く

その中で平河さんは、石橋議員のことを「いろいろな意味で存在感が大きい議員」と評する。看護師の日雇い派遣解禁の問題でも、「資料を読み込んで政府の論理矛盾などを指摘するのがうまかった」と話す。また、「附帯決議をはじめとして政府案に歯止めをかけるための妥協点を引き出す実務的な技術にもたけている」との評価だ。「国会クラスタ」界隈でも石橋議員の評価は高い、という。

「石橋議員は、労働者派遣法など非正規雇用の問題に力を入れている印象があります。労働組合は正社員中心というイメージがありますが、非正規雇用問題に熱心に取り組む組織内議員がいることにも注目してほしい。労働組合のイメージが変わるはずです」と平河さんは語る。

政治活動の重要性

労働組合の政治活動を批判的に捉える言説も一部にあるが、平河さんは、「労働は多くの人にとって重要なテーマです。労働運動が強い国は、労働者の権利が守られている。組織内議員は組合員の声を集めて、国会に届けるために重要な役割を果たしています」と労働組合の政治活動の意義を解説する。加えて、「数は力なので一つにまとまっていることが重要。連合結成以降の流れでもあるので一体となって訴えることが大切だと思う」と指摘する。

ただし、選挙の時だけ政治活動をやっても組合員には伝わらない、と注意を促す。

「選挙の時だけではなく、日々の活動で何をするのかが大切です。労働者の権利を守るという労働運動の価値を若い人たちに伝えていけば、おのずと選挙結果にも反映されるはずです」と話す。石橋議員の日々の活動とともに、労働運動の価値を伝えていくことが、政治決戦の結果にもつながる、と言えそうだ。

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