【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜「子育て」を
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前回、労組への期待という形で、雇用のゆがみを指摘しました。そんなことを言われても私には何もできやしない、と言われそうです。しかし、あなたにできることは予想以上にたくさんあります。よく考えてみてください。仕事の反対側に生活があります。その生活から接近していきましょう。第6編は母親になりたいあなたにとって大切なことです。そう、子育てです。
子育て? まだ体験していないことですが不安が大きいでしょう。子どもを授からないかもしれない場合があります。だから、その時に考えれば十分? しかし子育てが始まってからでは遅いのです。いっぱいいっぱいの毎日になりますから。ぜひその前にしっかり考えておきましょう。
母親になりたいと考えたら、あれこれと口を出す父親がいるなんてしんどいですね。しかし、あなたが自分のこととして考える材料にしてほしいのです。
どのような子どもに育てたいのか? と知人の母親たちに問い掛けてきました。多くは、やっぱり大学を出て大企業に就職することが大切と言います。無理を重ねて多額の教育費を投入します。ちょっと怖いです。子どもに寄り添う内容の本を書いているくせに、本人に会うと、強者こそが生き残るべきだ、と言い放つ女性学者の母親がいます。もっと怖いです。子どもたちのことを思うあまりそうしているのでしょう。しかし、どのように育てるのか、という問いには答えていません。
ちゃんとした会社に就職できるように、社会に負けないように、やさしい子どもに、自分の頭で考えられるように……。これらは間違いではありません。あなたは戸惑うはずです。答えるのは簡単そうでも、実際には答えられない。やりながら考えるしかない、ということになりがちです。そこで、子どもが成長した時の目標が必要となり、進学、就職、結婚などの話に飛ぶのです。
あなたにも、子育ての目標が必要でしょうね。しかし、一気に飛ばずに、じっくりいきましょう。
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。