渋谷龍一のドラゴンノート2023.01-02

【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜「ホワイトアウト」?
「ブラックアウト」?

2023/01/18

日本中が、男性と女性を区別してはだめ、というあたかも平等にあふれた、だんだんよくなってきたような雰囲気に包まれています。一方であらゆるところで、相変わらず、女性らしく、男性らしく、という言葉が聞こえてきます。矛盾しているでしょう。どうしてなのでしょうか。

あたかも女性の立場を尊重するようでいて決めつけている「らしく」という言葉ほど罪なものはありません。そう強要されるからやりたかったことを諦めたり、理不尽だと悩んだりするのは、全然自分らしくありません。

らしくを押し付けてくる人は、思いやりをもって女性を慮っているので、なかなか抵抗しづらい。「好意的性差別」いうやつです。まるでしんしんと降り積もる豪雪の時のように真っ白で見えなくなる。ホワイトアウトです。

積極的な激しい押し付けもあります。「黒の塗りつぶし」です。ジェンダー規範だらけなのを、そういうものだろう、と敵意を見せながら無理やり押し通して塗りつぶすわけです。ブラックアウトで漆黒の世界になり、ジェンダー規範を延命させています。

ホワイトアウトやブラックアウトが得意な人があなたの職場や組合にいるはずです。えっ、コイツらもう手遅れだって? よく気づきましたね。

そこでわが家の子育てをどうしたいか、に進めます。子どもを差別するのも、子どもに差別させるのもやめましょう。子どもがいない人は甥、姪、親戚でも、悩みを相談された人にでも、いつでもどこでも何かできるはずです。

例えば、神谷悠一さんの『差別は思いやりでは解決しない』など、性差別に敏感な人の良書が多くなってきました。日本の本当の姿を伝えながら、自信をもって子育てしましょう。そのためにあなたは勉強しなければなりません。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。
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