渋谷龍一のドラゴンノート2023.11

【第7編】労働組合〜ジェンダーギャップ最劣悪国でどうしますか〜労働組合がしんどい

2023/11/13

前回、日本がしんどい、という話をしました。その日本にある労働組合はどうでしょう。これが第7編のテーマです。

このシリーズでは、母親になりたい、と言ったあなたに、ちょくちょく労組のことを織り交ぜて話してきました。母親(女性のライフコース)、働くこと(非正規社会)、職場(カイシャ)、パートナー(オトコ社会)、働くこと2(F型)、子ども(子育て三原則)ですが、労組が関係するのはせいぜい職場や働くことくらいです。労組は勢力を落としていますし、落としていなくても過大な期待をかけるわけにはいきません。

ただし、あなたは労組がある会社で働く場合がありますし、もしかしたら、労組の役員になるかもしれません。その時どうするか、です。仕事のことや生活のことだけでなく、労組を挟んでみるのは損にはならないでしょう。

母親になりたいあなたにとって、日本がしんどいなら、労組もしんどいはずです。オトコ組織であるのは間違いなく、大多数は企業別組合ですからカイシャの作法が投影されていることでしょう。

世界経済フォーラムが発表した2023年のジェンダーギャップ指数によると、日本は146カ国中125位に落ち、ランキングが発表された2006年以来の最低ランクを記録しました。反転どころか落下し続けているのですから、カッコ悪いというより、社会の品質の悪い国と見るべきでしょう。さしたる改善もないのに平気なのが不気味ですが、会社や政界の女性比率などが話題になるのに、労組の女性は無視されているのも不思議です。

ジェンダーギャップ満々の国で、あえて労組に目を向けてみて何が学べるのか。どんな力が働いているのか。日本をよくするために役に立つとしたら何なのか。必要ならばどう変えるべきか。これまでの話に労組を絡めてみましょう。最初から労組に期待できないと断言するのではなく、労組のしんどさを見極めてみましょう。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。
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