渋谷龍一のドラゴンノート2017.08-09

【第1編】母親になる前に ~女性の「ライフコース」がみえていますか~夫の家事と育児

2017/08/30

税や社会保障の制度から見れば息苦しいほど緊密な夫婦ですが、家事・育児となると夫婦は全然緊密ではなく、夫はほとんど当てにならないのが現状です。国立社会保障・人口問題研究所『全国家庭動向調査』によると、2013年時点で、夫の家事分担割合は14.9%、育児分担割合も20.2%と、家事や育児はほとんど妻が担っています。

こんな夫の家事ぶりを評価すると100満点で25.5点、育児については52.5点です。家事は文句なく落第、育児もかろうじて50点超えですがやはり落第です。夫は家事・育児はしてはならないと、法律で定められているかのようです。家事・育児をばりばりやっているという男性は、他の男性から「コイツ、どっかおかしいよ」と言われてしまうので、的外れな比喩ではないと思います。

なぜそうなのか、大いに考えてみるべきですが、答えは簡単です。「世の中はそういうものだろう」ということです。そう思っている家庭にこってり育てられているからです。そのような父親と母親を見て信じて疑わないからです。まさか自分を育ててくれた両親が間違っていたなんて考えられません。

旭化成ホームズの「くらしイノベーション研究所」、共働き家族研究所『いまどきの30代夫の家事参加の実体と意識』は、調理、洗濯、掃除、育児に分けて、家事と育児のどれを夫がするのか詳しく調べています。その結果、「何もしない」夫(ノンカジパパ)、家事・育児を「少しはやる」夫(チョイカジパパ)が圧倒的多数で、次世代へしっかり波及させています。

妻が家事・育児を任せられるような夫、「世の中そういうものだ」とは思わない男性は非常に希少です。ほとんどの男性とは、結婚したら、まるで苦行のような「ワンオペ」生活が始まるのは当たり前ではないでしょうか。あなたは、「ボクも手伝うよ」という信ぴょう性のない言葉を聞いた時に気付くべきです。変な表現だと思いませんか。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
『女性活躍「不可能」社会ニッポン原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)で2016年貧困ジャーナリズム賞を受賞。
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