渋谷龍一のドラゴンノート2018.06

【第2編】働く〜もう「非正規社会」だって わかっていますか〜非正規社会と「日本のキホン」

2018/06/13

「男は家を出たら7人の敵がいる」とか、「家庭を築くことこそ女の幸せ」とかいわれるものです。男性が戦い、女性が守る。しかし、倒れた男性の命を守ろうと土俵に駆け上がり心臓マッサージを施す女性は「土俵から降りてください」という注意を何度も浴びせられました。「男性が上がってください」。戦いの場を侵犯したとみなされれば、救命すらできなくなります。

ちびっこ相撲を心待ちにしていた女子小学生は「けがが心配なので土俵に上がるのを遠慮してほしい」といわれがっかりした顔を見せました。「その理由はウソだろ」。全国の小学生たちが見破りました。では、意気消沈した子どもたちが帰った家庭はどうでしょうか。男性が仕事に専念できるように女性が家庭生活を担う。もっぱら男性が稼ぐ。稼げない時は家庭生活を犠牲にしない範囲で女性も稼ぐ。これが基本です。日本社会で暮らす家族の基本中の基本形です。長いので「日本のキホン」と呼びます。

女性は娘の時は父親に養ってもらい、結婚したら夫に養ってもらう。自宅から勤務先に通い、家事を母親にやってもらっている女性は「日本のキホン」から外れていません。独立した未婚女性になる以外に、「日本のキホン」から脱出できる選択肢はなさそうです。

でも、あなたのように結婚したい女性ならば、結婚後、もっぱら自分が家事育児をやるか、やらないか、の選択になります。これは大きなポイントです。もっぱら家事育児をする人がいます。専業主婦です。「日本のキホン」通りです。パートタイマーで働きながら家事育児をする人がいます。これも「日本のキホン」通りです。低い賃金で非正規雇用に吸い込まれていきます。非正規社会を体感するでしょう。

結婚をやめておく未婚女性は根強い人気を集めています。「日本のキホン」に忠実であることをやめ、のみ込まれて我慢を強いられるのを避けたい、と判断して実行した勇者たちです。結婚したいあなたはどうしますか。

渋谷 龍一 (しぶや りゅういち) 労働ジャーナリスト
『女性活躍「不可能」社会ニッポン原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)で2016年貧困ジャーナリズム賞を受賞。
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