【第4編】パートナー〜そろそろ「オトコ社会」に気付きましたか〜女性たちのホンネ3
もっと深刻な話をしましょうか。まず、ゲタオがゲタの歯を折られたと勝手に感じるとき、傍若無人ぶりを外ではなく内に向ける場合です。「わが家」は危険な場所に一変します。ゲタオはもうモラハラでは飽き足らず、DV(ドメスティックバイオレンス)や虐待に進みます。
そんな話を聞きたくないって? わが家には関係ないって? だから約束したじゃないですか。しっかり生き抜くために、「人それぞれ」や「人ごと」はやめようって。
シングルマザーと交際したり同棲したりしているゲタオが子どもを虐待する事件が後を絶ちません。しかし、専門家の間では定説ですが、子どもへの虐待の裏側には必ず母親へのDVがあります。
子どもが死に至る事件が発生し、連座して母親まで逮捕されてしまいます。あなたは、子どもを守れなかった母親だから罰を受けるのを当然だと思っていませんでしたか。DVを受け続ける被害者なのに、逃げられないままに虐待加害者の罪まで負わされる女性の気持ちがわかりますか。シングルマザーでなくても、パートナーからDVをうける女性や子どもへの虐待、性暴力は、そこから命からがら逃げてきて隠れるシェルターが満杯になるほどたっぷりありますよ。
ゲタオが、エネルギーを外に向ける場合はどうか。例えば、あおり運転のような事件では、理由はともあれ、本人が止められない怒りを自分勝手に他人へぶつけます。同じような事件を女性が起こさないのを不思議に思いませんか。
数々の性犯罪、誘拐、監禁、殺傷、放火などの事件はどうでしょう。犯人の精神の異常性だけが注目されがちですが、加害者本人の中ではどういうわけか高みにいる、ということに気付いていますか。
こうした事件が突出したレアケースなのか、それとも、ハラスメント、痴漢、悪質クレーマーなどと同様に、子どものときからゲタを履かされてきた男性なら誰でも起こし得ることなのか、あなたはどう思いますか。
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。