【第6編】子ども〜どう育てるつもりですか〜「子育て」
三原則
これまでの話を聞いて、また体験してきたことを振り返ってみて、子どもたちが生きてゆく日本は、どのような社会になると考えていますか。ライフコース、カイシャ、「日本のキホン」、オトコ社会、メンバーシップ型雇用(MS)……。それらを生み出している日本社会は、何がどのように動いているのでしょうか。その社会の方向は、変化しているようにみえて、強化されています。
そこに放り込まれることになる子どもたちはどうなるのか? ここが大きなポイントであり子育てのスタート地点です。あなたの子どもが生きてゆく社会がどうなのか考え抜いた結果を「子育て」に織り込んでください。子どもたちは何を知っておく必要があるのでしょうか。成長したら何を考えられるようになっていればよいのでしょう。
子どもたちが働くようになった時点で、日本社会について多くのことを本当にわかっていること、これが目標です。実行するための3つの原則があります。第一に「働きつづけること」。第二は「勉強すること」。第三は、「社会とほどほどの距離をとること」です。
三原則の意味はこれから話す内容でわかってくると思います。簡単にいうと、母親が働かない姿を子どもの目に焼き付けないでください。働きながら子どもとかかわり、パートナーがいるならば双方が家事育児を担える仕組みをつくってください。
これまでの人生から答えを出すという愚はおかさず、常に勉強してください。もちろん、このシリーズ内容を復習してください。無知のままだと無知の仲間にされてしまい、まずいです。
日本社会はそれほどよい社会ではないと実感しているのなら、その社会に従おうというのはどうかと思いませんか。否定されたはずの「3歳児神話」をまだ持ち出す人がいるくらいですよ。
最後に言います。子育てによって日本社会の発展、向上に貢献することができる、と本気で信じて決心してください。
日本労働ペンクラブ会員。主著に『女性活躍「不可能」社会ニッポン 原点は「丸子警報器主婦パート事件」にあった!』(旬報社)がある。