巻頭言 UNITE2022.10

情報労連結成60年を迎えて
歴史に学び、次の時代へ

2022/10/13

7月29日に開催した第61回定期全国大会で決定した「2022年度運動方針」に基づき、9月16日第3回定例中央執行委員会で「2022年度年間活動の進め方」を意思統一し、具体的な活動がスタートした。言うまでもなく、この一年は、「2021〜2022年度中期運動方針」の総仕上げとなる。結果にこだわり成果を出したい。

そして、もう一つの重要な役割は、次代につなげる運動の構築である。「賢者は歴史に学び 愚者は経験に学ぶ」。これは、ドイツ帝国で鉄血宰相と呼ばれたビスマルクの格言である。10月8日に前身である「電通共闘」が結成されてから60年を迎えた。コロナ禍が続いていることから、結成50周年のような組織内外の関係者を招いての式典は行わず、前日の7日に、全県協とオンラインで結び、すべての加盟組合の代表者に参加を呼びかけ、情報労連全体で「結成60年記念集会」を開催した。

この節目にたち、すべての加盟組合の役職員と60年の歴史を振り返り、産別・情報労連の意義と役割を再確認し、次代に向けて、何をなすべきか組織全体で共有し合いたい。

この60年は、幾多の試練と苦難に遭遇するも、悩み多い議論を尽くし、多くの先人たちの英知とたゆまぬ努力により、苦難を乗り越え今日を築いてきた。功労いただいた先輩諸氏に心から敬意と感謝を申し上げる。

労働組合の使命が「組合員の雇用確保と生活の安定・向上」なのは自明の理である。単組だけの営みでは、その実現が難しいため、産別としてスケールメリットを生かして、さまざまな取り組みを通じて使命を果たすことになる。

情報労連の歴史は、「自分たちだけの利益追求ではなく、すべての人が幸せになれる社会があってこそ、組合員が安心して働き暮らせる」を運動の基底に、「社会的価値ある労働運動」をぶれずに実践してきた。「情報労連らしさ」にこだわった産別運動の追求といえる。

「『情報労連らしさ』とは、『不条理を許さない』。社会の不条理に対峙し、誠実に労働運動に取り組む。それが、長年にわたり『社会的に価値ある労働運動』を標榜してきた情報労連の『普遍の原理』である」。これは、私の前任で8年間委員長を務めた野田前委員長の言葉である。しっかり胸に刻み受け継いでいく。

現在は、時代の大変革期にあり、猛烈なスピードで変化している。組合員の考えや価値観も多様化し、働き方も変わり、コロナの影響による社会変容や環境の変化などを踏まえ、労働運動・活動についても変革が求められる。

しかし、こうした時代だからこそ、情報労連が60年間貫き通してきた「ぶれない軸」「崩してはならない基軸」は大切にしていかなければならない。それは、「恒久平和の実現」「社会の不条理を許さない」「お互い助け合う」であり、だからこそ、平和運動が大切であり、政治活動が重要となり、福祉活動と社会貢献活動を推進し、不当な差別に立ち向かうことが求められる。

「歴史に学び」次の時代へ、強い意志をもって、その歩みを前に進める歴史的使命を果たさねばならない。その意志を全体で固め合いたい。

安藤 京一 (あんどう きょういち) 情報労連 中央執行委員長
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