ビストロパパレシピ2023.04

貴重な卵。
脇役から主役に
にら玉丼

2023/04/12

卵の価格が高騰している。2年前に比べて卸価格が70%上がっているとか。理由は、餌代の価格が上がっていることに加え、鳥インフルエンザの流行などがあるらしい。スーパーでは品切れで手に入りにくくなった。

北海道食材セット付きのオンライン料理教室の食材を仕入れるにあたり、放し飼いで鶏を育てる自然卵養鶏の農場を訪ねた。餌は国産100%で、ほぼ北海道産というこだわり。自然の中で産まれた卵は、黄身がレモン色で濃厚。そして白身が甘くておいしいのだ。

そんなおいしい卵が手に入ったら、卵かけごはんにして食べたい。おすすめの食べ方は三つ。ごはんに溶き卵をかけてそのまま味わう。次は、卵の味を楽しむために、卵にしょうゆを混ぜるのではなく、ごはんにしょうゆをかけたあと生卵をかけて食べる。最後は、しょうゆではなく塩で味わう。存分に卵味を楽しめる。

大人も子どもも大好きな丼料理といえば親子丼、牛丼、豚丼など、肉が主役。その肉を油揚げにするだけで、十分満足いく一品になる。私の地元京都では衣笠丼という呼び方で、甘辛い油揚げと九条ねぎで作った玉子丼がある。学生時代に学食でよく食べたものだ。

今回、卵が貴重に感じる今だからこそ、卵を主役にした料理を作ってみてはどうだろう。

おすすめしたいのは衣笠丼をイメージした「にら玉丼」。春の柔らかいにらと、油揚げと卵で作るのだ。油揚げに甘味がつくよう、みりんと砂糖で煮込んだ後、しょうゆを加えて仕上げるのがポイントだ。最後は、今回主役である卵を回しかけする。3人前なら3個は使いたい。半熟トロトロ状態になるまで火を通して、ごはんの上に滑らせる。そのおいしさをかみしめながら、自分は卵料理が大好きなんだと感じる。

調理時間

25分

材料(3人分)

  • にら(1束)
  • 卵(3個)
  • 油揚げ(3枚)
  • しょうゆ(大さじ3)
  • ごはん(適量)
  • 白ごま(少々)
    • 水(200㎖)
    • だし昆布(1枚)
    • かつお節(少々)
    • みりん(大さじ2)
    • てんさい糖(砂糖)(大さじ2)
    • 酒(大さじ2)

作り方

  1. にらはざく切り。卵を割って溶く。油揚げは水洗いして絞り小さく切る。
  2. フライパンにAと油揚げ、にらを入れてふたをして火にかける。途中でしょうゆを加えて沸騰してにらに火が通ったら火を弱火にする。
  3. 2に溶き卵を回しかけし蒸らしてでき上がり。器にごはんを盛り付け、上からにら玉をかけ、白ごまをかける。
アト辛おとな味:七味
子手伝い:卵を割る
ビストロパパのワンポイント・アドバイス
鶏と生産者さんに感謝しよう。
滝村 雅晴 (たきむら まさはる) パパ料理研究家。労働組合向け、食材セット付きオンライン料理教室の運営サービス開始。きょうの料理の出演など、楽しむ料理の普及・啓発を行う。株式会社ビストロパパ代表取締役。いっしょに作る料理動画を毎週末YouTubeでライブ配信中。ビストロパパチャンネルも開設。
新著「生き抜くためのごはんの作り方 : 悩みに効く16人のレシピ (14歳の世渡り術)」河出書房新社。
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