2023情報労連
平和四行動がスタート
「トルコ・シリア大地震緊急支援カンパ」は、2814万639円を集約した。短期間での取り組みとなったが、加盟組織・組合員、退職者等の皆さんから多くの善意が寄せられた。感謝申し上げる。連合カンパへの拠出を含め、トルコ・シリア地震の甚大な被害に支援するUNI連帯基金と10団体に全額寄付する。
さて、本号執筆時点と時を同じくして、「G7サミット」が広島で開催された。ロシアのウクライナ侵攻が泥沼化した戦時下で、ロシアの核使用の恐れすら出ている。世界では、大国間の緊張関係が増し、核戦争の懸念が高まっている。
核の脅威が増す中で、G7首脳が被爆地広島に集まった歴史的意義は大きいといえる。しかしながら、核問題に焦点を当てた文書「広島ビジョン」では、「核なき世界」の実現への具体的な道のりが示されないばかりか、「核抑止力の重要性」をうたい、核兵器禁止条約にもまったく触れていない。被爆地で開催したにもかかわらず、残念な内容であり、核軍縮・廃絶への一歩となるのか疑問である。
現政権与党は、安全保障政策の大転換を進めており、現行憲法の下で守ってきた専守防衛の大原則を変更しかねない論議が進んでいる。戦後一貫して貫いてきた平和の理念が揺らぎ始めていないだろうか。軍備を増強すれば平和が守られるのか、私たち自身が問われている。
戦後78年の平和四行動
情報労連の「創り育てる平和」の象徴的な取り組みである「2023平和四行動」が、6月から始まる。6月23〜25日の「沖縄ピースすてーじ」、8月4〜6日「広島ピースフォーラム」、8月7〜9日「長崎平和フォーラム」、9月8〜10日「北方領土返還要求平和行動in根室」となる。今年は、コロナ禍前に戻し、現地行動を予定する。
沖縄戦の悲劇と今なお在日米軍基地が日本全体の約7割を占める沖縄の現状、そして、自衛隊基地が南西諸島に次々とつくられ、ミサイル配備が進められており、有事となれば攻撃にさらされるリスクが格段と高まる。広島・長崎では、核兵器の実相に触れ、核の脅威・愚かさを実感し、「核なき世界」の実現に一緒に声を上げていただきたい。北海道では、高齢化する元島民の皆さんの願いを心に刻み、一日も早い返還を一緒に求めていきたい。
2023平和行動を通じて、78年前に何があったのかを知り、戦争の普遍的な痛みを考えるきっかけとしたい。「何が幸せで何が悲しいことなのか」考え、現地で学んだ「戦争の悲惨さ」「命の尊さ」を、家族や職場の同僚、友人などに伝え、広げていただきたい。そして、悲惨な戦争の歴史を教訓に、今を生きる者の責任として、次の世代へ平和な社会を手渡さなければならない。
今年3月に亡くなった世界的音楽家「坂本龍一」さんは、社会問題にも強い関心を寄せ、不条理を見つめ、おかしいと思うことに声を上げ続けた。「核と人類は共存できない」と、「非戦と非核」を強く訴えてきた。核兵器禁止条約の発効が決まると「歴史的快挙」と支持し、唯一の戦争被爆国・日本の政府が参画しないことに「情けなさと憤り」を表明するなど、多くのメッセージを発し続けた。
情報労連は、平和運動を通じて組合員とご家族や社会に向け、「恒久平和」を発し続けていく。
大切なのは、主権者である一人ひとりが主体的に平和を希求することだ。