特集2018.08-09

職場の労使協議/ワークルール総点検「女性活躍推進法」行動計画に対して
労働組合が積極的な意見提起を

2018/08/10
2016年に施行された女性活躍推進法で、300人を超える企業は、女性活躍の観点から「一般事業主行動計画」を策定することが義務付けられた。法施行から2年が経過した今、法の実効性をより高めるために、労働組合に求められる役割を解説する。
齋藤 久子 情報労連中央執行委員(政策局)

女性活躍推進法の概要

女性活躍推進法は、常時雇用する労働者が300人を超える一般事業主に対して、(1)自社の女性の活躍に関する状況把握と課題分析(2)状況把握と課題分析を踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表(3)行動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出─の三つのステップに(4)女性の活躍に関する状況の公表─を加えた四つの取り組みを義務付けています。

特徴的なのは、前述の(1)~(3)のステップを踏むことを通じ、単に行動計画を策定するだけでなく、その前段で状況把握・課題分析をすること自体が義務付けられている点や、女性活躍に関する数値目標の設定や情報公表が義務付けられており、企業の取り組みや現状を「見える化」する仕掛けが盛り込まれているという点です。

労働組合は取り組みの実効性確保を

厚生労働省によれば、女性活躍推進法が行動計画の策定を義務付けている300人を超える企業(1万6099社)の99.6%に相当する1万6034社が行動計画の届出を行っており(2018年3月31日現在)、法的義務のある企業のほとんどが女性活躍推進法に対応した取り組みを行っています。

とはいえ、取り組み内容にまで踏み込んで考えてみれば、どのような取り組みを行動計画に盛り込むかや、どの程度の数値目標を設定するかは企業によって異なっており、また、計画に盛り込まれた取り組みが実際に行われているのか、あるいは、数値目標を実際に達成したかどうかについては行政指導の対象にもなっていません。そのため実効性が乏しい取り組みとなっている可能性も考えられます。労働組合がこのプロセスに関与していく意義は、その取り組みの実効性を確保していく、ということに尽きます。

労働組合としてできること

法施行から2年以上が経過した今、労働組合としては、企業が女性活躍推進法に対応している、ということを確認するだけではなく、行動計画の実施状況や数値目標の達成状況を点検・評価し、現場実態を踏まえた意見提起をすることで、効果的にPDCAサイクルを機能させていくことが重要です。

また、これらの取り組みに実効性を持たせ、環境を現実的に改善していくためには、組合員の声に真摯に耳を傾け、現場で何が起こっているのかをしっかりと把握することがスタート地点になります。労働組合としても、アンケート調査や意見交換等を実施し、何が女性活躍を妨げているのかや、それらの障壁をどう乗り越え、どのような企業・職場を展望するかなどを把握するとともに、それらを企業に伝え、現場の声を取り組みに反映させていくことが求められます。

チェック!労働組合としてできること

(1)行動計画の策定に積極的にかかわろう!

(2)組合員へのアンケートやヒアリングなどを通じ、職場の実態や課題を把握して行動計画に反映しよう!

(3)組合員に向けた周知や学習の場を設置しよう!

(4)計画が着実に進展しているか、PDCAに積極的に関与しよう!

なお、本稿では、法的義務を負う300人を超える企業を中心に述べてきましたが、女性活躍推進は企業規模にかかわらず必要な取り組みです。努力義務となっている300人以下の企業に対し働き掛けていくことも、労働組合の重要な役割です。

女性活躍推進法のポイント

301人以上の労働者を雇用する事業主に 以下の(1)~(3)を義務付け

(1)女性の活躍状況を把握し、課題分析

以下については必ず把握し、課題分析を行う

(1)採用者に占める女性比率 (2)勤続年数の男女差

(3)労働時間の状況 (4)管理職に占める女性比率

(2)行動計画の策定、社内周知、公表、届出

(1)行動計画の策定、(2)労働者への周知、

(3)外部への公表、(4)都道府県労働局への届出を行う

(1)行動計画には、(a)計画期間 (b)数値目標

(c)取り組み内容 (d)取り組みの実施時期を盛り込む

(3)自社の女性の活躍に関する情報を公表

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